福袋研究会〜初売りに福を求めて福袋を研究しよう!

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福袋研究会」とは、新春に発売される福袋について、情報の収集と共有を目的としたホームページです。

福袋研究会」は皆さんから寄せられる情報から成り立つホームページですので、情報を寄せてくださった人たちや、閲覧してくれる人々皆さんのホームページという意味でタイトルに「」の文字を入れてあります。

多くの情報を収集し公開することによって、欲得だけではない福袋のいろいろな楽しみ方を追求することを目的にしております。

2017年 福袋取材記

 

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【行列店の詰め合わせ福袋 大丸東京店】

 自由度の高い体験型福袋や高額系福袋を除くと、新しいアイデアやコンセプトの福袋は作りにくい。

 衣料系、雑貨系、そして食品系の福袋は、年々クオリティーは上がっているし、お得感も増している。だが、アイデア的におもしろいと思うものにはなかなか巡り会えない。

 だが、工夫の余地がなくなったかと言えば、そうとは言えない。まだまだアイデアを出す余地ある。それを示したのが大丸東京店の「ワンダフルスイーツ!行列ショップのスイーツ福袋」である。

福袋は売れ残り&在庫処分から行列店へ

 昭和の時代に福袋を買い求めたきりの人にとってのイメージは、「売れ残り商品の抱き合わせ」だろう。

 当時は「総合福袋」という形態を取っていた。今のように売り場ごとに販売される福袋ではなく、店舗がど〜んと販売する福袋だ。中身はと言えば、開けてみなければ何が入っているのかわからない、まさに新春の運試し、それが福袋だった。
「大きな袋と小さな袋、どっちがお得?」
「軽い袋と重い袋、どっちがお得?」
などと、まるで「舌切り雀」の大きな葛籠か、小さな葛籠かのような話をした記憶がある。

 SNSが発達した現在、こんな福袋を販売しようものなら、新年早々の炎上第1号は確定してしまうが、いまだに昭和的イメージを福袋に持っている人も多い。

 だが、平成の最後を飾る福袋は進化をした。昭和の福袋が「売れ残りの抱き合わせ」ならば、平成のそれは「行列店の詰め合わせ」だ。

 行列店の詰め合わせ福袋、それが大丸東京店の「ワンダフルスイーツ!行列ショップのスイーツ福袋」だ。

 売れないものをいかに組み合わせるかで、お得感を訴求するのが福袋のおもしろさだ。百貨店や、テナントの腕の見せ所である。

 だが、「ワンダフルスイーツ!行列ショップのスイーツ福袋」は直球勝負。行列店を勢ぞろいさせたなんとも力業な福袋である。

 しかもこの福袋の驚くべき点は、お披露目会目的に作られた福袋ではないという点である。

画面が盛り上がりさえすればいい

 これだけのコンセプトを持つ福袋ならば、マスコミは飛びついてくる。本来ならば、限定数10袋とか形だけそろえればそれでいい。販売用ではなく広報目的なのだから、お披露目会の会場でテレビカメラや、新聞記者を集めればお役御免だ。

 だが、「ワンダフルスイーツ!行列ショップのスイーツ福袋」は、100袋の販売を予定している。大丸東京店が売る気で作ってきた福袋なのだ。

 ワイドショーやニュース販売個数は興味がない。限定数1や2でも、絵になりさえすればそれでいい。客が手に入ろうが入るまいが、関係ない。とにかく絵になるインパクト、それ以外に関心はないのだ。
「これはすごい!」
「これはお得ですね!」
「これはおもしろい!」
と、スタジオが盛り上がればそれでいい。

「行列店の詰め合わせ」、これだけのコンセプトがあれば、お披露目会用福袋として十分の役目を果たす。限定10で十分だ。いや、限定5でもいいかもしれない。数をそろえるのに苦労をしなくてもいい、各ショップとの調整に汗をかく必要もない、そういう部類の福袋なのである。

 それにもかかわらず限定100と数をそろえてきたのである。

コンセプト・クオリティーと販売個数の両立

 福袋研究家として、テレビや雑誌でおすすめの福袋を紹介する際に、一番大切にしているのは「販売個数」である。どんなにお得感があっても、どんなにクオリティーが高くても、買えなければ意味がない。

 限定数が少なければ少ないほど、お得感もクオリティーも高くなるのは百も承知だ。しかし、真冬の未明から並ばないと手に入らない福袋を紹介したとしても、ほとんどの視聴者や読者には意味のないことだ。

 だからお披露目会で真っ先にチェックをするのが販売個数である。最低でも限定50、できれば限定100、限定100以上なら言うことなし、こんな感じで展示福袋を見ている。

 コンセプトとクオリティーを満たし、なおかつ販売個数も確保している福袋はなかなか見当たらない。だからその両方を満たす福袋に出会うと、うれしくてうれしくてたまらなくなる。

 その貴重なひとつが、「ワンダフルスイーツ!行列ショップのスイーツ福袋」だ。行列店の商品を詰め合わせにするコンセプトだけでも斬新なのに、数をそろえてきている。数年に一度巡り会えるか会えないかの実用系福袋である。

 また、「ワンダフルスイーツ!行列ショップのスイーツ福袋」のコンセプトは、食品系福袋だけではなく、衣料や雑貨、コスメなどのさまざまな分野の福袋にも応用が効く。うわさを聞きつけた他の百貨店が、さっそく同じ様なコンセプトの福袋を投入してくるかもしれない。さらに発展した形態の福袋を登場させるに違いない。

 大丸東京店の「ワンダフルスイーツ!行列ショップのスイーツ福袋」は、平成を締めくくる福袋として、関係者の間では、語り継がれていくにちがいない。

取材・文 恩田ひさとし

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